次世代の負担軽減と目前の困窮対策

 現代において確実に重要なのは、グレタ・トゥーンベリさんが主張する、地球限界による成長行き詰まりに対応した、次世代子孫への負担軽減です。見田宗介さんはすでにその限界による人口増加の抑制はすでに1960年代から始まっていることを示しています。途上国で人口が増えていると信じている人が多いですが、増加割合は減ってきて、いずれ、先進国だけでなく、地球全体で人口が減ってゆくことになります。これは、人間が生物である以上避けられない結果といえます。こうした地球限界による将来展望は、小生の所属する「縮小社会研究会」が主張する環境持続社会への軟着陸、斎藤幸平さんのいう資本制からの脱却、広井良典さんの定常社会等々、基本的な視点は共通していると考えられます。ゆっくりでもそうした地球生態系と人類の相互作用の持続性が実現してゆくようにすることが、現在最も重要です。それを意識している政治家は、鮫島さんの同級生である小川淳也さんを初めとして野党議員にもいるはずです。徐々に実現を図る必要がまったなし、と言えるでしょう。
 ところが、そんな正論を選挙で掲げて勝てるわけではないのも事実ですう。与党は財政破綻しても国民を押さえつけてさえいれば高度成長時代の経済発展がよみがえるとみている,完全な時代遅れなので、野党は、選挙では、財政破綻は完全に棚に上げて、先の次世代へのつけの長期の話とは反対に、今まさに苦しむ人の救済を主張していいと思います。山本太郎さんはその最適任者であることはまちがいないと思います。次世代以降の持続性に関しては,ある程度時間のかかりますから、原発廃止・環境破壊の縮減というわかりやすい基幹部を主張すればいいのだと思います。
 長期展望と短期救済は矛盾しているようにみえます。しかし、そうではないでしょう。小生の専門である水害という、地球活動(大気水循環と地殻変動)が必然的に根本原因となって生じる自然災害への対策を考えてみますと、温暖化対策によって豪雨拡大や海面上昇を抑制する、あるいは地方の過疎と都市集中という国土計画を長期に見直すことが、治水長期対策として決定的に重要です。同時に、短期対策として、堤防が特に弱い場所の改善対策など、最も被害に会いやすい場所に重点的に対策することも必要です。与党に牛耳られた行政当局のやっていることは、どちらでもない、巨大なインフラ新設に税金をつぎ込むことです。減災に効果がないとまでは言えませんが、ダム貯水池となる地域の住民間対立、それをなだめるためのさらなる税金の投入が繰り返されてきました。軍事基地でもそうですが、誰かにひどい負担をかけるインフラについては、行政と住民がやむを得ないと納得できるまでの調整が必要です。それには当然時間がかかりますから、そのためにこそ、大きな地元負担をともなわない弱点修繕のような地道な対策を急ぐべきなのです。
 和歌山市で水道橋が崩落し広域断水になりました。原因はまだはっきりしないとのことですが、老朽化したインフラが国土に膨大にあり、こうした不測の事態が今後多く発生すると予測できます。人口が減少するのに、どうしてリニア新幹線や高速道路をどんどん作らないといけないのでしょうか。短期的に地道に補修しながら、長期的には、インフラ増設を抑制し、次世代に対する智惠を出し合う政策が必要です。
 自民党政権は短期と長期の両方の政策において犯罪的です。ぜひ、野党には、消費税減税を含む短期的な困窮者への支援を中心に、次世代の負担を今より増やさないヴィジョンをも提示して、勝利していただきたいと思います。

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