選挙判断基準の分類に基づく「お灸」の決定的重要性

 選挙に当たって、投票に行くかどうか、誰に投票するかでどうするか、人それぞれ、またその時点ごとにさまざまな判断が為されるでしょう。あまりにも単純かも知れませんが、いくつかのパターンでのグループ分けを考えてみました。各グループはそれぞれ5〜15%くらいの割合をもつのではないかと思いますが、多数決で議員が選ばれる原則なので、その範囲での揺れ動きが当選落選にを支配します。私論にすぎませんが、お付き合いをお願いします。結論は、何を政策として掲げるかではなく、現政権の失政にお灸をすえることでしか、政権交代はできないということです。さて、まず分類をしてみましょう。
1)日本人は他の民族とは異なる崇高な歴史に基づく誇りをもっており、明治維新以来、その発揚によって天皇中心に中韓を含む東・東南アジアのリーダーとして進んだが、残念なことに日本割り込まれたことを妬む欧米の圧倒的な力によって完成できなかった。しかし、その誇りを基に経済復興を成し遂げた成果に基づき、天皇中心の戦前の誇りを取り戻そうと願う日本会議を大切にしている自民党に投票する。
2)日本の経済的繁栄は、国土に多発する災害を防ぐ治水や首都圏と地方を結ぶ交通網の整備などのインフラ整備によって達成された。とくに農林水産業だけでは地方経済は回らないので、今後も公共事業に税金をつぎ込むことがますます重要だと考え、それを強く支える自民・公明党に投票する。
3)経済面・精神面・健康面で苦労を重ねてきたが、自分の悩みを和らげて生き方を支えてくれているのは宗教団体なので、推薦する候補者に投票する。公明党はひとつの宗教、自民党は多数の仏教系・神道系に支持されており、これらの党へ投票する。
4)役所や会社等の組織に務めていて、みずからのの労働者としての給与を向上させることを主な目的とする組合に所属しているため、その組織が支持する野党に投票する。
5)庶民が政治を動かすべきだというリベラルの考え方をし、現在の与党の政治に問題が多いとして、それを批判する現在の野党のどれかに投票する。
6)生活が苦しく、その状況はさらに悪くなる可能性が強いので、改善を掲げる現在の野党に投票する。
7) 生活が苦しく、その状況はさらに悪くなる可能性が強い。だが、現状に反対する野党に政権が変わるとますます生活が苦しくなる恐れが強いので、現状維持のために現在政権を担っている 自民・公明党に投票する。
8)自分は政治のことはよくわからないので、自己の不適切または未熟な判断による投票が選挙結果に反映されることはできれば避けたい。しかし、選挙は棄権すべきではないので、これまで相対的に多くの票を得た結果、現在政権を担っている 自民・公明党に に投票する。
9)与党の政権運営に著しい問題があるとして、お灸をすえるために現在の野党に投票する。
10)テレビやマスコミで報道されることが多い有名人に、与党・野党にかかわらず、投票する。
11)自分の市町村出身、同窓生、遠縁、何となく縁故のある人物に、与党・野党にかかわらず、投票する。
12)食べるものにもこと欠いていて、誰に投票したところで、最低限の人間らしい生き方を得られるはずはないので、棄権する。
13)老齢や病気のために投票に行きにくい。仮に投票援助手段があっても、それを利用するほどの熱意はなく、棄権する。
14)家族や社会との関係性が切れており、選挙への関心が持てないので棄権する。
 いま、こうした分類ができ、その人数割合が約7%ずつで同じだと仮定しますと、12、13、14は棄権しますから、投票率の最大は80%くらいだろうと思われます。維新は現在の与党を応援しつつ野党を批判して勢力を伸ばす戦略なので、これは棚に上げて別に考えるとして、現在の与党と維新を除く野党を区別することにしますが、1,2,3は自民・公明の与党岩盤、4,5,6は野党岩盤で、それぞれ約20%ずつになります。
 もし、岩盤支持者だけが投票に行くと投票率は40%ですが、実際の投票率は、2009年の総選挙での大きくて69%、2014年、17年の総選挙が少なくて53%程度で、10〜30%程度の有権者の票が勝敗を左右するようです。実際の党派別の獲得票の割合を見ると、比例区での自民・公明両党の合計獲得票の全有権者に対する割合は25%程度で、2005年以来ほぼ安定しており、現在の野党の合計も似たような数字で、ただ2009年だけ、民主党の得票割合が37%と高くなっています。したがって、岩盤の20%ずつに加えて、縁故者や有名人を与野党にかかわらず投票する10と11を半分ずつ加えると、与野党それぞれ27%くらいになり、実態の25%よりやや多くなりますが、ほぼ妥当な数字だと思います。

 与党に政権を担ってもらうべきと判断する岩盤25%のうち、その信念は非常に強固で、1は日本国民が持つ誇りを民族の信念を毀損する野党には絶対政権を執らせないとの明確な覚悟があり、2は現在の経済を維持する上で与党が必須だと考えています。3は個人の精神生活の安定のために与党を支えています。その一方、残り75%のうち、少なくとも棄権を決めている20%を除くと約半数の有権者は、与党に対して何らかの批判の気持ちを持っていると考えられます。自分が抱える多様な問題が、国民が毎日の経済活動によって支払う税金によって成り立っている国の施策によって改善するようには使われていないことに対し、反対、不満、疑問、あきらめなどがあるので、野党に投票するか、本当は投票に行かないといけないかなあと思いつつも投票しても自分の問題は改善されないとみなして棄権するか、という選択をしていると推測されます。
 ところで、私たち国民の中には、食べるものにこと欠き、今夜寝る場所も確保されていない、そういう厳しい窮状にある人がいます。何らかの社会関係の失敗でこれからそうなりそうな人もいます。また、自分が暮らしてきた場所を公共事業や米軍基地その他によって奪われたり深刻な被害をこうむる人もいます。このような追い詰められた国民を支えるのが税金の使い道として優先すべきでしょう。しかし、個々の問題ごとについてみれば、日本国民の総数に比べると少数なので、多数決で当選者が決まる選挙においては、少数者の主張が反映されにくいです。また、温暖化などの地球環境劣化の回避、他国との戦争を避ける的確な外交交渉、エネルギー・食料木材等の生物資源・住居その他生活必需品の長期安定供給、財政破綻回避、自然環境の保全などは、国民全体で子や孫の世代へ引き継がれるべき利益ですが、これも現在の問題ではなく、問題が将来拡大してゆくテーマである、その本質それ自体によって選挙で優先されにくいです。残るのは、結局、国民に現在共有されるであろう問題、例えば、減税、コロナ対策、給付金などが政策として並び、それは与野党で程度の差しか出にくいです。

 以上のことから、現在の野党が政権を担うためには、与党に批判的な有権者の約半数の多くが投票に行ってもらうことが決定的に重要だということになります。現実に、2009年の総選挙では、野党への票が、通常の選挙の25%から37%に増加しましたが、これは野党の政策に賛同した人が12%増えたのではなく、直前の麻生政権での失政にお灸をすえる必要があると考える9のグループの人が確実に投票に行ったからだと考えられます。また、その民主党政権は、その政権が2011年の震災への対応その他の政策が妥当であったかどうかの検証によってではなく、それが失政であったとのキャンペーンによってお灸をすえられ、3年で崩壊したのだと思います。
 したがって、短期的に困難に直面している人を助ける政策、長期的に子孫の世代につけを残さない政策は、いずれも投票に影響を与えることができにくく、現在の政権に「お灸をすえる」ことだけが、政権交代において決定的なのだ、極端かも知れませんが、私はそのように考えます。決してそれでいいわけではありません。短期長期の重要問題を改善する必要があります。しかし、現在の政権はそのような政権ではないからこそ、政権を交代させる必要があります。自公政権にお灸をすえるべき問題は、下記のように「やまほど」あるので、野党にはこの点を強調して頑張ってほしいところです。 
「コロナ対策に必要な医療体制整備への怠慢、モリ・カケや恣意的人事による行政私物化、河井への資金供与による公正な選挙に対する妨害、虚偽答弁を繰り返し母国語を破壊して恥じない国会軽視、人口縮小化や地球環境への長期展望への無策、基地・沖縄にかかわる日米地位協定への改善に努力せずに突き進む対米従属、北朝鮮交渉断絶、ウラジミールとボクとは親友だと言って北方領土を差し上げたロシア外交、東アジアの安全への外交努力を避けた感情的な中韓蔑視、入管による移民虐待のさらなる促進、利権依存だけを重視したリニアや高速道路網などインフラ政策による自然破壊、「強靱な過疎と都市集中」を反省しない無謀な国土政策、菅氏になってからの学術会議弾圧」

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